\さいごまで/ じぶんちing研究所

”ずっと自分の家で暮らしつづけること=じぶんちing”について考える。

じぶんちingするための家を考えるートイレ編ー

 

じぶんの家でずっと暮らすための家について、場所ごとに考えたことを書いてみます。
今回は、トイレについてです。

なお、以前のブログでも紹介しましたが、高齢者化対策のリフォーム全般については、ちきりんさんのキンドル本がおすすめです。

 

高齢になっても自宅で暮らすために、トイレはとても大切。
在宅医療を受ける患者さんも、自分で家のトイレに行きたい!という方はとても多いです。

排泄も、自分で行きたいときにトイレに行くという、自分で選んで行う行為のひとつ。
ただ生きるのではなく、”暮らす”という実感を得るためには大切な行為だと思います。

今まで当たり前に無意識にできたことを、今まで通りに続けるというのは、人の尊厳を守ることにつながります。

ただ、本当に歩くのが難しくなったら、ベッドの隣に置くポータブルトイレという簡易型のトイレがあり、それを利用することで施設に入らずに自宅での生活を続けられるケースも多いです。

ポータブルトイレは、介護保険の「特定福祉用具」の対象になるので、自己負担額が原則1割(所得に応じて2~3割)になります。介護保険では、車イスなどレンタルできる福祉用具もたくさんありますが、ポータブルトイレは直接肌にふれるものなので、衛生面からもレンタルではなく購入するものになってます。

このあたりは、実際に必要になればケアマネージャーや訪問看護師さんに相談すればいいし、トイレまでの移動やトイレ内の手すりなども、介護保険を利用して設置が可能です。

 

でも、今回考えた、じぶんちingするためのトイレとは、もっと前の段階の話です。
自宅で自立した生活を続けるために、元気なうちに、どんなトイレにリフォームしておくとよいか?について、です。以下、本を参考にしながら考えたことを書いてみます。

 

<じぶんちingするためのトイレ>

・場所は寝室から近いほどよい(夜に何度も起きていくことを想定)

・階が違うのはキケン!同じ階に設置。 
 夜の歩行は転倒リスクが高い。→骨折して寝たきりになるのを避ける

・スペースは広めに
 歩くのが大変になったとき、車椅子の利用を想定した広さ(介助者のスペース必要)

・ものをしまえる棚や場所をつくる
(タオル、導尿物品、人工肛門物品などの使用時にも収納可)

・入口は引き戸が開閉動作が容易

・開戸とする場合は、外開き(内開きだと戸の動きに合わせて体を移動させる必要があるのとトイレ内で万一倒れた場合、救出が困難)

・トイレの入口は段差をなくす

・の向き (入口からどの向きがよいか?)
→ 座るために回転するのを避けるため、入口を引き戸にして、便座を並行にする

・入口と便器は並行にする

(用を足すときにぐるっと回転せずにすむ。車椅子から移乗しやすい)

・便座は洋式

・便器下部の形状はくびれがよい
(前方下部が飛び出ていると車椅子のアプローチがしにくい)

・高齢者ほどウォシュレットは便利
(お尻をふくという行為がしにくくなるから乾燥機能があるもの)

・トイレ内も暖かく(ヒートショックの予防)

・床は拭き取りしやすい素材で、滑りにくく、弾力性のあるもの

・トイレ自体はあまり照度を高くしすぎない
(夜間に暗い寝室から突然明るくなると、高齢者はまぶしく感じやすい)

・汚物流しをつくっておくのもあり(人工肛門などの処置、トイレ失敗時などに利用)

・1〜2人暮らしの場合、洋室ホテルのように、浴室、洗面所、トイレの一体式も検討
(トイレを失敗した場合など、体を清潔に保つために本人も介助者もとても楽)

 

手すりなどは、実際に必要になったら、つければOKです。
(どこに、どんな手すりが必要かは、その時にならないとわからないので)

 

私もいずれ自宅をリフォームする際には、こういった点を気にしながらトイレを計画しようと思っています。

 

Let's be じぶんちing!